年越しそばは大みそかに食べなきゃダメって本当?
大みそかといえば、年越しそばを食べる家庭も多いですよね。
食べるタイミングは家庭によってさまざまですが、大みそかのうちに食べきらないと縁起が悪いと言われているのを知っていますか?
どうして大みそかにそばを食べるの?
年越しそばを食べるタイミングは、厳密に決まっているわけではありません。年を越す前に食べれば、朝に食べても昼に食べても、除夜の鐘と同時に食べても問題ありません。
ただし、年を越す前に食べなければ縁起が悪いと言われています。年越しそばは来年も健康で幸せに過ごせますようにという願いを込めて食べるものです。
同時に、今年一年の厄や不運を切り落として、新しい年へ向かうという意味もあります。これは、そばが切れやすいことから災いを切り捨ているという縁起を担いでいることに由来します。
年を越す前にそばを食べきらないと、その年の災いを次の年まで持ち越してしまうんですね。もしも除夜の鐘と同時にそばを食べるなら、年を越す前に食べきれるよう、量は少なめにしたほうが良いでしょう。
また、急いで食べてやけどをしないように気をつけてくださいね。
年明けに食べる地域も
大みそかに食べる年越しそばは有名ですが、年明けにそばを食べる地域もあるんです。
たとえば福島県の会津地方や、新潟県の一部の地方では、元旦にそばを食べる地域があります。さらに、1月14日に十四日そばを食べる地方もあるんですよ。
なぜ14日なのかというと、小正月の前日が14日にあたるからです。
また、昔は節分に年越しそばを食べる習慣がありました。これは旧暦が一般的だった頃、元日ではなく立春を一年の始まりとしていたためです。節分が今でいう大みそかにあたる日だったんですね。
ちなみに、江戸時代では年末に限らず毎月末日にそばを食べる「みそかそば」というものがありました。
江戸時代には、その月の最後の日を「みそか」と呼んでいたんです。みそかそばは、主に江戸の商人の間で習慣となっていました。
月末は集金や棚卸で特に慌ただしくなりますから、従業員や使用人の労をねぎらうために、そばを振る舞っていたんです。そばなら出前も頼めるうえ、お寿司やうなぎよりも手頃な値段です。
江戸の町人にとって、そばが特に親しみのある食べ物だったという理由もあります。
そもそもそばは食べない!?
そもそも大みそかにそばを食べる習慣がないという地方もあります。讃岐うどんで有名な香川県では、そばの代わりに年越しうどんを食べる家庭も多いんですよ。
さらに、お正月には年明けうどんを食べるという人もいます。
さらに、沖縄ではそば粉で打ったそばよりも沖縄そばを使った年越しそばが一般的です。
北海道では、にしんそばが一般的な地域もあれば、そばの代わりにお寿司を食べるという地方もあります。大みそかはごちそうを食べて、そばは元日に朝ごはんとして食べるという家庭もあるんです。
そばもごちそうもどちらも食べるという家もあるんですよ。
大みそかに特別なものを食べるという習慣は全国にありますが、かならずしもそばを食べるとは限らないんですね。